姫路料理長 久保田 冬メニュー物語

姫路料理長 久保田
冬メニュー物語

セトレ冬メニュー開発物語

姫路の料理長 久保田が
冬のコースメニューを完成させるまでをお伝えします。

久保田は何を考え、何に拘るのか?
1章から5章で一つのコースメニューが出来上がるまでを
ドキュメンタリーでお届けします。

今後12月のメニュー提供スタートまで
物語をお楽しみください。


≪ NEW ≫
11/26 第5章(最終章)をアップしました。

第1章

冬のテーマ「煮込み料理」をどう表現するか?
メニューを練る。
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久保田は常々、地域の生産者さんとセトレに来られるゲストを
料理で橋渡しをしたいと想っていた。

そんな10月のある日、セトレ冬のメニューのテーマが
奈良の井田から発表された。

この冬のテーマは ”煮込みの極致”
煮込むことで素材のもつ旨味の奥行きを深める!
各料理長の思いや個性が発揮される究極の一品!
と題された。

久保田は、生産者さんに足を運ぶ車の中で構想を練っていた。

他の生産者さんの顔も次々に頭に浮かぶ・・・。

久保田はある人の顔が浮かび閃いた。
よし!この冬はこれで行こう!
コースの主役に添えるメニューはこれだ!
「鯛蕪(たいかぶら)小鍋仕立て」だ!

この一品は、鯛の旨味を蕪(かぶら)に含ませる
寒い冬にぴったりの料理だ。
しかも鍋仕立てにして互いの旨味のきいた汁も存分に味わえる、これこそ極致だと、胸が高鳴った。

久保田は言う。
「料理人として、シンプルに「美味しい」と感じて頂きたいのは当然ですが、料理を通して食材の産地や生産者さんが日々手塩に掛けて育てている様子を想像してもらいたい。」と。


第2章

この時期だから味わってもらいたい地域の食材!
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久保田はこの時期ならではの食材を考えた。

地域の生産者さんとのつながりで特に届けたいのは「シラス」。
たつの市の室津港で穫れた、シラスは鮮度が良く苦味が少ないことが特徴だ。

更に相性の良い玉子(神崎郡の田隅玉子)を使用した、シンプルな「シラスご飯」にしよう。

久保田自身に発見もあった。

「苦みの少ない生のシラスと出会うのは初めてでしたので、是非皆様にも食べて頂きたいと思いこの素材を使うことに決めたんです!」

少しずつイメージが具体化し、冬コース全体の絵面が頭の中に描かれてきた。



第3章

実際に品質を確かめ、量確保が可能か交渉を!
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押しの一品である「鯛蕪(たいかぶら)小鍋仕立て」は、
姫路市の鎌田地区にあり、土にこだわっている岡本農園さんの「蕪」を起用。

この生産者さんは、コーヒーかすから出た豆や、沖縄のサンゴを肥料とした、肥沃な土壌で栽培するというこだわりだ。

その肥料を使うと、ふかふかの土に仕上がるそうだ。
イメージは「まるでふかふかの布団」。

その布団で良く寝た野菜「蕪」がとても美味しく感動し、久保田は使うことを決めた。

そのまま(生)を口にすると、甘味や濃度が強く、その素材の良さを活かすことにワクワクする。

「生産者さんの究極の想いは獲れたてのものを直接お客様へ提供すること。鮮度を活かした料理を届けたい。」

そのため、冬コースに使う蕪は、当日収穫した鮮度の良い品を納品してもらうことにした。

冬コース完成のラストスパートに向けて
久保田の視界は良好だ。


第4章

自分の思う味を出すために試行錯誤する
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久保田は、「鎌(カマ)」の部位も使って、鯛の旨味を蕪に含ませよう。と考えていた。
しかしそれだけだと、鯛の臭みが出てしまう。

それをどう乗り越えるか・・・。

いくつか試した後に、これぞという手法で乗り越えた。
皮の部分を焼き一緒に焚くことによって香ばしさを出し臭みを消す方法だ。

また、このメニューで特に苦労したのは、鎌の部位は煮崩れしやすいこと。
それは、蒸煮にすることでクリアした。

さらにシラス御飯は、同僚の西山が持つ「洋」の技術を用い、卵をコンフィ(油を入れ低温調理)で仕上げ、まろやかな食感ときめ細やかな味を実現した。

和と洋の技術で至高のコースが生まれようとしている。

まもなくSETRE CLUB会員向けの試食会が始まる。
レストランスタッフとも料理紹介の内容の詰めにも入った。

12月からスタートする冬のメニューのカウントダウンがはじまった。

最終章

出来上がったコースメニューを実際につくる
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セトレの冬menuのテーマは「煮込みの極致」だ。

改めて出来上がった我が子の様な冬のコースをみて久保田は想う。

地元の生産者さんが「培ってきた経験」から生まれた素材
そして私が長年「磨いてきた和職人としての腕と技」
そこに、相棒西山の「洋の技術」

三位一体となった絶妙なバランスの姫路 冬のコース料理を一人でも多くの方に出逢っていただきたい。

そして何より、食べていただいた時の幸せな笑顔を見たい。

今年の冬も最高のコースが完成した。
皆様にお届けするのが楽しみだ。



~ 完 ~

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